富士山の洞穴


富士山にはたくさんの洞穴があります。溶岩が流れ、冷えて固まるときガスの働きでおもちのように溶岩に空洞ができることで作られます。富士山のふもとには100以上の世界的に見てもたくさんの洞穴があります。富士山のおなかの中はどうなっているのかな。もぐってみましょう。


1 鳴沢氷穴 (青木ヶ原樹海の中にある。)


 溶岩洞穴で延長153m。1階2階3階部分に分けらけれるふくざつなこうぞうになっている。つららや、氷柱などの万年氷があるのでひょうけつの名がある。見学者が多い。洞くつの中の温度は、いつも0℃です。
氷穴の中のようすです。溶岩からしみ出した富士山の伏流水が冷やされて氷になりました。1年中とけることはありません。



2 コウモリ穴 (西湖畔青木ヶ原溶岩末端にある。)
この付近は、万葉集に出てきます。洞中は暖かく年中変わらないのでコウモリが多く、昭和の初めには群せいしていましたが今はすがたを見ることはほとんどできません。西湖コウモリ穴では3種類のコウモリがいます。ウサギコウモリ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリの三種類のコウモリです。人がくるとうるさいため、コウモリがいるところまでは人が行けないようにおりをつくってあります。。最近洞穴の中を整備して観光客でも見学できるようになりました。

中にはいるときは、このようにヘルメットをかぶって入ります。
そうしないと天井が低いので頭をぶつけてしまったとき困る
からです。中は迷路のようになっています。溶岩だなや、縄
状溶岩などめずらしいものが見られます。



3 富岳風穴 (青木ヶ原にある。)
 えんちょう約200mの溶岩洞穴洞内は真夏でも0℃に近く、一年中氷柱やツララが見られ、おくへ進むと世界でもめずらしい溶岩だながみられます。ほぼ全面に渡って溶岩鍾乳石面がみられます。天井までの高さが8mにもおよぶ大きな洞穴なので見学者も多いです。溶岩の性質で音が吸収されてしまうので、声は反響しません。天然の冷蔵庫として長い間蚕の卵や、木の実の種のちょぞうに使われていました。




4 りゅうぐうどう穴 (西湖畔の青木ヶ原にある。)
このどう穴は、あまり大きくはないが、ここにはあまごいの神である豊玉姫を地底にまつったほこらがある。洞穴内の気温は非常に低い。
昔は、かんばつになると近くの村人たちが西湖をわたってこの神様に雨ごいの願いをしに来た。現在はいっぱんの人は入ることはできないが、入口にはほこらがありそこから洞穴を見ることができる。



主な溶岩洞穴(天然記念物になっているもの)
洞穴の名前場所
富岳風穴西八代郡上九一色村精進青木ヶ原
富士風穴 西八代郡上九一色村精進青木ヶ原
本栖風穴
(第1風穴・第2風穴)
西八代郡上九一色村本栖石塚

西湖コウモリ穴南都留郡足和田村青木ヶ原
竜宮洞穴南都留郡足和田村青木ヶ原
鳴沢氷穴南都留郡鳴沢村軽水
神座風穴
(蒲鉾穴・めがね穴)
南都留郡鳴沢村神座
大室洞穴南都留郡鳴沢村神座8536
雁の穴富士吉田市上吉田雁の穴5605



風穴や氷穴に入るときの注意
  とくに氷穴に入る時は、アイゼンと言うものをくつにつけてゆっくり入る。アイゼンをはいていない子どもは、アイゼンをはいている大人につかんでもらう。



溶岩洞穴よりもっとめずらしいのが、「溶岩樹型」です。これは溶岩が森の中を流れ下ったとき、木が溶岩の流れに閉じこめられ、木は焼けてなくなってしまい、溶岩が木の形を写し取って固まり残ったものです。「直径2mもの大きな木がたくさん生えていた」というようなことがこれらの溶岩樹型からわかります。
 もちろん木の種類や、溶岩の流れた方向などもわかります。
 「鳴沢の溶岩樹型」「船津胎内樹型」などが観光できます。


富士山には川がありません。ふった雨や、雪解け水は、溶岩にしみこみ、古富士火山との境目の水を通さない溶岩の上を地下水となって少しずつふもとに向かって流れ下ります。
 20年から30年かかってふもとまで流れついた水は、とつぜんわきだし、「富士五湖」となったり、「忍野八海」となったりします。静岡県側では、「白糸の滝」になったりしています。
 富士山が谷のない美しい姿でいられるのは、川がないからです。川があるとどんどん土がけずられて谷が深くなり山の形が変わってしまいます。